早稲田大学に合格したSさん(四日市高校出身)の学習計画 高校一年生の学習計画を実行するために考えたこと

早稲田大学に合格したSさん(四日市高校出身)の学習計画 高校一年生の学習計画を実行するために考えたこと

前回までで、Sさんの1年生時点の学習計画の内容はわかっていただけたと思います。

計画を立てるのは、時間がかかっても皆さん出来ると思います。

志望校を調べ、配点を調べ、どのような出題形式か調べる。

高校一年生であれば、重要度が高い分野から詰めていく。テキストの選定の難しさはある程度あるものの、学校を利用したり、ネットにある情報で利用できるものものもあるでしょう。

1年生はまだ時間的に余裕があるので多少のロスがあっても挽回できます。

そして、多少学習計画が上手く行かなくても、学習習慣をつけることができれば、受験までに大きなアドバンテージを得られますね。

ただ、難関大学を目指す場合や受験まで一年を切っていると言うなら話は別です。

時間の把握が重要な理由

学習計画を立てることが出来ても、実際に学習計画が機能しない生徒の殆どは、自分の時間の使い方を把握していません。

どのテキストをどのようにやるか決まっていても、一日に使える時間を理解していないと、どんなに素晴らしい学習計画であっても上手く行きません。

そのため、進度表というものを私のところでは作っています。

受験生には全員記録してもらっているものです。

特別なものではありません。進度表は、テキストの進度、正答率、睡眠時間、生活記録などを記録します。

ここには写っていませんが、毎日のSさんのコメント、私のコメントがあります。毎日記録をつけることで少しずつ改善していくのです。

同じテキストであっても、どの時間帯でやるかでも、効率は大きく変わります。

本当かと思うかもしれませんが、夕食後の直後に勉強するのと、ある程度お腹が落ち着いてからと効率が変わるのは想像できますね。

学校で体育があった日は?あるいは毎週テストがある場合は?同じ勉強時間を確保するのは難しいでしょう。

土日なら上手く時間を使えると思っても、模試があったり、部活があったら予想より学習時間は少なくなりますね。

そのため、まずは一日にやる量を決めずに、Sさんに学習してもらいました。

睡眠時間を確保しよう

まず、時間を考える上で最優先で確保する必要があるのは睡眠です。

記憶を長期記憶に変えるためには睡眠が必要だとか、睡眠時間が足りないと、計数能力が低下するとかの話は皆さんもご存知だと思います。

睡眠不足の状態でいくら勉強しても時間のムダということです。

睡眠不足でも気力で頑張るという受験生もいますが、気力だけでは1年も勉強できません。1ヶ月でも無理です。

そして、一番恐ろしいのは体調を崩すことです。1日600分勉強する受験生が、体調を崩して1週間寝込んだとします。

4200分のロスですね。600分勉強できる生徒は一日で増やせる勉強時間は多くありません。30分程度が限界だと思います。

取り戻すのに140日かかります。みなさんが、受験直前だったらゾッとしませんか。

自分が調子よく勉強できる睡眠時間を知りましょう。できれば、寝る時間、起きる時間も固定できるといいですね。

自宅浪人する受験生はこれが難しいですね。宅浪の受験生であるならば、図書館に通うなどいろいろ工夫したいですね。

私が見ている生徒には420分の睡眠時間は絶対に確保するように指導しています。

睡眠時間が420分を切っている生徒の多くが、体調不良になることが多いためです。

学校がなく、講習などで受験勉強が重くなる夏は、480分は最低でもとるようにしてもらっています。

後半は疲れがでるため、540分睡眠時間をとる様に指導することも多いです。

大事なので強調します。睡眠時間は絶対に確保しましょう。これを減らすことは学習計画の破綻を意味します。有望な受験生が睡眠時間を減らして失敗したのを多く見てきました。

努力は大事ですが、自分が出来る以上のものを計画するのは努力ではなく無謀です。

一部の遺伝的に恵まれた人は短時間睡眠で乗り切れる人もいますが、私達の殆どはそうではありません。

そうでない私たちは、無理な努力をせず出来る計画を立てる必要があります。

究極的には、学習計画は努力せずに回せるようにすることです。実際には、自分にとっていかに負担を少なく出来るかということですけれどもね。

私も眠れるなら600分は眠りたいですね。

Sさんは、420分の睡眠時間はほぼ確保できました。できなかったのは2016年6月の平均406.6分。そのときは体調を崩していました。

生活記録をつけよう。

これは何時に起きた、ご飯をいつに食べた、お風呂に入った、通学時間、などです。

これは、削ることが出来ない時間ですね。

勉強時間を確保するのは可処分時間の中からになります。

可処分時間は、自分が自由に使える時間ですね。1440分-(睡眠時間+生活で取られる時間+学校の時間)と考えれば良いでしょう。

高校生の皆さんの場合は、学校から戻ってきて眠るまでの時間で、お風呂、食事を除いた時間です。学校の宿題、部活、アルバイトなどがあれば、その時間は少なくなります。

実際の可処分時間はどれだけあるか

高校生が学校から帰って使える時間の平均はどれくらいか知っておくことは、皆さんにとっては有用だと思います。

今まで、進度表をつけてくれた生徒の平均は240分前後なのです。これはアルバイト、部活をしていない受験生の勉強時間です。

可処分時間を増やすのは、隙間時間を増やすこと、休日、土日を活用することがポイントになります。

しかしSさんが通っていた四日市高校は週末課題という形で大量の課題が出されました。

当然答えを写すだけの時間は勉強時間ではありません。

では、実際に学力にもならない時間であっても、課題を提出しなかったら更にペナルティがありました。

その為、Sさんの一年生で実際に使えた時間は月平均で、9月134.4分 10月143.9分 11月 181.23分でした。

少ない時間をどう使う?指定校推薦を考えなかった理由。

Sさんは実際には6月から進度表をつけてもらってあったので、120~180分程度が平日に使える時間だとわかっていました。

初めは毎日の宿題で全く受験勉強に使う時間がとれない状態でした。学校の勉強が受験勉強のベースになることは間違いないのですが、進度も早く、宿題も多い。授業の内容も理解するのが難しく、ただ、授業中に座っているだけの授業が多くなっていました。

これではまずい。

ですので、受験に必要な科目をまず理解できる体制を作ることに目標をおきました。

数学は中学時代から苦手意識があり、高校1年生の段階でかなり厳しい状態でした。Sさんの高校は指定校推薦枠がありましたが、それを使うのは無理。1学期の中間テストでは368人中258位。Sさんの通っていた四日市高校では早稲田は一般受験ではほとんど入らず、指定校推薦で入学することが多い。

苦手科目を克服して、指定校推薦枠を取るより、一般受験で行くほうが現実的だと考えました。

完璧を目指さない

1学期の中間テストが終わった段階で、Sさんはかなり自信を失っている状態だったと思います。

大量の宿題を睡眠時間を削ってまでやらないと毎日が回らない。徹夜しないと回らないこともあった。周りでは睡眠時間を削って勉強している人も多く、気持ちはどんどん焦る。進度も早く理解が不十分なままどんどん毎日が過ぎる。

そのため、まずは、受験科目だけ学校の授業が理解できるレベルにするのが目的でした。

英語に関しては、長文は捨てる。文法が固まっていない段階で長文を大量に読むのは単に辞書を引くのがうまくなるだけ。

調べた単語からでっち上げることはできるようになるかもしれませんが、受験では全く役に立ちませんね。

そのため、学校の勉強で重要視するのは英文法に絞りました。英文法の宿題は終わらせる。

それ以外の宿題は答えがあれば写すようにしようと話しました。このままではどれも出来ない状態になる上に、体も壊します。

Sさんにはかなり抵抗があったと思いますが、まずは得点の柱を作り、自信を回復することが必要だと私は考えました。

自信は大事

やったら、出来ると思わなくて勉強できる人はまれでしょう。

「やれば出来るかも」と思うのは自己効力感といいます。

自己効力感 (じここうりょくかん)(self-efficacy) とは、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できるかという可能性の認知

自己効力感を生み出す基礎となるのは、以下であるとされる。

  1. 達成経験(最も重要な要因で、自分自身が何かを達成したり、成功したりした経験
  2. 代理経験(自分以外の他人が何かを達成したり成功したりすることを観察すること)
  3. 言語的説得(自分に能力があることを言語的に説明されること、言語的な励まし)
  4. 生理的情緒的高揚(酒などの薬物やその他の要因について気分が高揚すること)
  5. 想像的体験(自己や他者の成功経験を想像すること)-O.マダックスによる。)

「自己効力感」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2017/11/11 10時(日本時間)現在での最新版を取得。

「やってもできない」「みんなは出来ても私はできない。」このような状態では、まず勉強に対してモチベーションを持つことは出来ません。受験勉強の成功の要因の一つは、間違いなく学習時間です。モチベーションなしに学習時間はふやせません。

私がSさんに出来ることは、1~3です。

Sさんには能力がありました。学校のペースや宿題にはついていけないかもしれないが、量を減らせば1は達成できます。なので、まず捨てるところを決めました。

2に関しては、早稲田に合格した生徒たちの記録を読んでもらったことです。私のところに来る生徒は、はじめから高い学力をもっている受験生は来ません。みんな、捨てるところを見極めて学力を伸ばしていったわけです。

3に関しては、私はオンラインテストと言うかたちで、生徒がどのように学力を伸ばしたか測定出来ました。

過去の生徒にくらべて、決して能力が劣っているわけではないことが数字でわかるわけですね。

実際、受験生の皆さんは自分が思っているより出来るものですよ。

記憶が優れている場合もあれば、処理速度が優れている場合もありますし、一様ではないですが、長所がない受験生はいません。

1~3まで出来たら、5はできますね。

捨てることでできるようになること

夏休みになってSさんを実際に教えるようになりました。夏休みは時間がとれますが、Sさんの高校では大量の課題が出されるので、時間はとれません。

高校一年生の8月の勉強時間は5970分。決して多い時間ではないと思います。

まずは、古典文法を終わらせることから考えました。「政経の重要度が一番高い」と言っていたのではと不満の声が聞こえそうですね。

政経の重要度が科目の中で最も高いのは間違いないのですが、まず自己効力感を持つことがSさんにとっては大事だったわけです。

政経は時間対効果がもっとも高い科目ですが、1年生時点の模試では通常ありません。

長い受験勉強のなかで結果が2年出るまで待つのはつらいですね。古文なら、学校のテストでも成果がはっきりわかりますし、授業もわかるようになります。

何より1ヶ月あれば、古文単語、文法は終わります。英語で英文法と語彙を早稲田のレベルまで一ヶ月で持っていくのはほぼ不可能だと思いますが、古文なら出来ます。

そして、私がいくらSさんは出来るようになるといっても、実際に出来るということが示されなければ、モチベーションを保つことは出来ませんよね。だから、古文を優先したのです。

やることを限定すること、多くをやろうとすることを捨てることで、確実に得点できる分野を作りました。

Sさんには、まず古文文法と単語をやろうと話しました。

Sさんに進度表をつけてもらってあったので、昼食のあとは暗記物なら上手く回ることがわかっていたので、オンラインテストをしてもらうことにしました。

その後、古文の学習。夜には学校の宿題で英文法だけはしっかりやりました。

古文のテキストが復習になった時点で、政経のテキストを導入しました。詳しく知りたい方は、国語の学習計画、政経の学習計画についての記事を御覧ください。

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学校が始まったら

学校が始まると学習時間は減ることは明確だったため、時間の使い方を改善しました。

Sさんがしっかり受験勉強できるのは180分ないわけです。

古文の読解、英文法、政経の過去問演習などはまとまった時間がないと学習できません。

Sさんが効率よく学習できるのは、17:30から19:00。この時間が最も効率が良かったので、その時間を最大限に活かすために進度表をつけてもらいながら工夫していきました。

人によって、効率が良い時間は違います。

そして、一日の中で本当に効率が良い時間は他の時間の倍くらい進む時間があることが多いのです。

進度表をつけていく中でわかってきたことです。その時間は2時間あるかどうかです。

Sさんの場合は17:30から19:00だったわけです。

みなさんも、ぜひ、記録をつけてください。効率が良い時間がわかると思います。睡眠、食事の時間が大きく関係するので記録は本当に大事ですね。

やったことを幾つか挙げます。

  • 音声教材を使うこと。満員電車でも耳は使えますね。お風呂で聞くことも出来ます。
  • 隙間時間で勉強できる体制を作ること。英文を読むことは5分では出来なくても、単語なら5分あれば10は確認できる。覚えていないところ、間違えたところは週末にカードを作ったりして、覚えるようにしてもらいました。そして覚えたカードから捨てるようにしました。記憶できるかどうかは反復回数が大きいためです。
  • 内職 学校の授業で聞いてもわからない授業では、宿題の答えを写した。徹夜して体調を崩すよりずっと良いと説得し続けました。宿題を写す時間は勉強時間ではない。それなら、分からない授業は勉強時間ではない。効率よく勉強できる時間を有効に活用するためにここで時間を稼げたのは大きかったです。
  • 内職 憲法を眺める。政経では憲法の条文が問われる事が多く、漢字で書かせることも多い。受験直前期に覚えるのは時間が足りなくなる可能性が高い。過去問で問われたところは、色を変えて、重要度を認識してもらった。
  • 授業で寝る。分からない授業で内職も出来ない授業は体力温存に努める。睡眠時間が取れないときは特に有効でした。
  • 授業中に使用しているテキストを辞書代わりに使う。こうすることで、習得したいテキストを見る回数を増やした。
  • 毎日、進捗状況を確認し、体調、他の状況に応じてやる内容を変えた。一年生の目標は決まっているが、毎日同じようには回せない。そのため、体調が良くないときには復習中心にしたりした。既習範囲のオンラインテストなど。
  • 定期テストに合わせて、英文法は強化した。英文法に関しては受験レベルに一年生で引き上げるため。学校のテストに合わせて同一範囲をテキストで解くようにした。詳しくは英語の学習計画を御覧ください。
  • 塾に来ても集中力を欠いている場合は睡眠を取ってもらったり、家で休んで貰った。
  • 学校で平日に勉強するのが難しい場合、土日に新しい範囲を勧め、平日は復習にあてた。
  • 土曜日は予備日とした。予定どおりに進まない場合は、土曜日に追いつかせるなどしてバランスを取った。
  • 新たなテキストを始める場合は、やっているテキストが復習に入ってからにした。新たなものを同時にいくつも始めるのは負担が多いため。

他にもいろいろありますがこれくらいにしておきます。この中のいくつかは、受験生の皆さんでもすぐに使える方法があると思います。Sさんはきっちり進度表をつけてくれたため、細かい調整ができました。記録してあれば、改善できるところは見えますよ。

まとめ

時間の記録を付ける必要がある。1年でやることをきっちり学習計画を作っても実際に使える時間がないと実行できない。

そして、やることを限定する。やることを限定することで、自己効力感を持つことができる。自己効力感を持つためには、できるという経験が必要。やることを限定すれば成功する可能性は高くなる。

時間の記録をつけることで、自分が効率よく勉強する時間がわかる。その時間で最大限の効果を得られるようにするため、様々なやり方で暗記物を進めたり、効率よく勉強できる時間を減らさないように時間の使い方を工夫する。

Sさんの2年次の学習計画について書くか、他の受験生について書くか考えています。

自分で学習計画が立てられないという受験生は、お問い合わせか、twitterアカウント(@oO1noHkmYPOYvFuからどうぞ。質問いただければ記事にします。

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